
| 『“すすきのウィークエンドシアター”の開始にあたって』 |
例会プログラム 2001年12月7日
(財)北海道演劇財団 事務局長 平田 修二
北海道演劇財団は、11月から「すすきのウィークエンドシアター(SWEET)」を始めました。
その説明の前に、都市の魅力とは何かを考えてみます。
人は、「自分とは、人間とは何だろう」という根源的問いを抱えながら「昨年とは違う自分になりたい」と日々模索しています。都市には、その答えがある、少なくともあるような幻想があります。そして、芸術文化は、そのような人間の根源的問いに立ち向かっていく行為だと思います。約100年前、パリには世界中から画家が集まり、競い合って作品を発表しました。描かれた絵だけでなく、画家やそれを取り巻く人たちの日々の営みが、パリを魅力的な街にし、芸術の都という桂冠が定着したのでした。
ニューヨークの魅力にひとつは、演劇とミュージカルですが、ニューヨーク市は、中心街のビルをアーティストに安い家賃でアパートとして提供し続けました。また年間1ドルで古いビルを演劇人に提供してきました。彼らの悩みと喜びが街を少しずつ魅力的にしていきました。
札幌は、人口200万人を抱える大都市で、特にすすきのは多くの人が人生をぶつけ合う、まさにもっとも都市的な魅力を担う街です。この街にもっとアーティストが住み、札幌を、世界を、現代を表現し続けたら、夜とは別の顔を持つ懐の深いすすきのになると思います。
SWEETは、そのささやかな試みです。4つの団体が、毎週末、週替りで4ヶ月間公演をします。月に1団体が入れ替わり、無期限にロングラン公演を続けます。
この企画の目的の第1は、毎週末、同じ時間に安い料金で演劇やパフォーマンスを楽しめることにあります。アフタースキーの観光客にも薦められます。第2は、4ヶ月公演することによって、創造団体が、舞台作品をどんどん良いものに練り上げることです。第3は、多くの方と連携し、すすきのを魅力的な街にすることです。
演劇などのアートは、出来上がった舞台も人を感動させますが、より良い表現を目指して苦闘する芸術家の日々の営みも私たちの心を打ちます。
明日のアーティストを目指す卵たちの流す汗と涙が私たちに「昨日と違う自分になりたい」、「自分とは、人間とは何だろう」という人間の根源を思い出させてくれます。この小さなスタジオで誕生した作品が、全国へ世界へ巣立ったらと夢見ます。
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